No.255 上手くなるということについて

twitterを眺めておりましたら、「上手い人にどうやって上手くなるの?って聞くと、だいたい「練習すれば上手くなりますよ」って言われる」というのがありました。そしてそれに対して「練習すれば上手くなるっていうけどそういうのではない」や「だれに言ってもそう答えるという事は練習するしかないのだ」または「練習すれば上手くなるというのは残酷、そこには才能がある」のような意見もあって、面白いなあと思ったのですが、少し、自分の意見も書いてみようかなと思いました。

もちろん私は絵を描きませんし、絵を描こうと努力した事がないので、漠然となにかの技術を身に付けるという文脈でお考えください。

 

練習するしかない、これはある一面で真実だと思います。しかし、問題は「練習」というのがなにを表すのかという事ですよね。

「沢山書けば(やれば)上手くなる」というのは真実ではありますが全てを語ってはいない気がします。

 

僕は演技を一番長くやっておりますので、演技でお話させていただきますけども、セリフにはいくつか気をつけるべき点というのは確かにあります。それは、わかりやすい所では滑舌、アクセント、イントネーション、あるいはプロミネンスと言われる強調表現やポーズ(いわゆる間ですね)など。それはまあ練習すれば上手くなるところなのですが、それだけでは演技ではないのですね。

 

たとえばプロミネンスは強調なので一般的にはボリュームを大きくスピードをゆっくりにします。イメージしやすいですよね。

しかし、たとえば、ある部分を小さく呟く事で、聞いている人の注意を引くという効果があり、それが結果的にプロミネンスになる事もあります。スピードを上げる事で印象つける事もできますし、その言葉の前後に間をいれる事でその言葉が強調されることもあります。つまり「強調したい」という目的に対して、選びえる手段は無数にあるわけです。

そのこと自体を練習する事はもちろんできます。ですが、強調したい事を言う時に、大きくするのか、小さくするのか、あるいは早く言うのかゆっくり言うのか。大事なのは、どの手法で表現するのが効果的なのかを、考えることであり、選択する事で、その考える、感じる、選択する、という事は練習することができないのですね。

 

一人のセリフですら、そのような問題があるのに、「会話」二人以上の人間が意味と意図をやりとりする、しかもその状況や意味は言葉の通りでない事もありうる。という複雑極まる事を一人で練習することなど不可能に近いと思います。

 

でも、じゃあどうするのかって言ったら、そういう難しい事を僕たちは普段やっているのですよね。

 

なら、普段から意識にあげることです、「私は言いたい事をしっかり伝えているか」「そのために選んだこの言葉は効果的か」「相手の言いたい事を決めつけてはいないか」「言葉の奥に潜んでいる意味や意図をきちんと汲み取っているか」じつはこれらはやっているようで実にいい加減にしている事でもあります。あたりまえ過ぎてうっかり忘れてしまう事も多い。でもだからこそいつも意識していよう。そういう気持ちのある人の言葉というのは厚みをましていくのだと思います。

 

恐らくどんな道にも共通するところがあると思います。その画、その文、その線はそういった気持ちが還元されてでてきたものであり、100本の線をただ漫然と引いても101本目の線は変化しないと思うのです。

その場その時その相手に、最も伝わる「ありがとう」を言うには、1000回や2000回、ただ口にしただけではとても言えないでしょう。1000回や2000回考えただけでは伝わらないかもしれません。

しかし1000回、2000回、自分の気持ちをしっかりと感じ、どのように言えば相手に伝わるかを考え、どのようなタイミングなら受け入れてもらえるかを考えながら言い続けた人はきっと、その段階での最高にたどりつけると思うのです。

演技や文章は、もちろん試行回数も重要なのですが、それ以上にパターンをインプットする事や思考することが重要だと思います。滑舌や肉体訓練をするのは、アウトプットがそこで引っかかるのを防ぐためで、早く明晰に喋れれば人の心を打てるかというと全くそんなことはないのです。

しかし、具体的な練習をしないと上手くならない分野もあります。スポーツや音楽、絵画などがそうですね。しかしきっと上手い人というのは考えながらやっています。「このスピードで弾けるように」「このタイムで走れるように」「この色を表現できるように」おそらくあらゆる訓練は「目的」があり、その小さなゴールの積み重ねが、「より遠い目標への挑戦」を可能にするのではないでしょうか。

 

もし、才能というものが必要なのだとしたら、その小さな挑戦を楽しめる。達成した自分を信じられる事なのではないのでしょうか。

 

上手くなりたいというのは、本来全く個的な目標です。しかし、上手くなって認められたい。や、プロになって食っていきたい。という職業の事や他人の気持ちに踏み込んだ望みになりますと全く話が変わってくるので、「そうなるといいですね」と声をかけることしかできないのですが…。

「上手くなりたい」というのが純粋な思いであるのならば、そこには「これを表現したいから」という目的があるはずです、ですのでそれを達成するという考え方のほうが苦しみは少ないと思います。ないとは言いませんが、それは喜びに通じる苦しみです。

もっと苦しもうではないですか、そしてもっと喜ぼうではないですか。

めんどくさい、というのは楽しい事なのです。

 

なにも起こらず、ストレスもなく、ただ温かく心地よい日々のなんと退屈な事!

 

そう思えないという方は、まずゆっくりと疲れをとってください。温かく心地のよい日々をすごして安心してください。絶対にのんびりしている事に罪悪感を感じてはいけません。

そうして疲れがとれると、自然と「よし、いっちょやったるか」という気持ちになりますのでそれを待ってください。

 

「やりたい」と思う事をやりましょう。年齢も時間も経験も関係ありません。興味のある事を始めましょう。こうしなければいけない事なんて何一つない。もしそれが、貴方にとってとても楽しく、考えるなと言われても、いつもそのことを考えてしまう。そんな風になったら、やりたい事をただやっている内に世界一になっていた。そんなことだってあるかもしれません。

 

 

 

 

No.254

昔はちまちまとブログを書いていたりしたのですが、すっかり遠のいていました。

毎日更新!などと義務にする気はなくてもある程度まとまった文章を書くのはやはり頭をつかいます。

とにかく更新だけすればいいというのも違う気がしますが、今年は出演の機会をかなり絞ったので、なにかを発信するのにブログというのは手頃な媒体です。

いまやすっかりTwitterやFacebookに勢いを飲まれた感じのあるブログですが、アルゴリズムでスクリーニングされず、一カ所に蓄積される方式は今の時代だからこそ生きるような気もします。

なにしろTwitterというのは気軽ですからね。僕もTwitterばかりやっていましたが、最近なにかに怒っている人やら文句言ってる人をみるのがどうにも疲れてしまって。

僕の考え方が変わったせいもあるとは思うのですが、世情を反映してかそういう人がとても多い気がします。

後はなにかを教えたい人。

僕も業務上知り得た秘密や、今制作中のものについてお話するわけにはいかないので、仕事の課程や趣味において知り得た知識で、みなさまからの質問などに応えていた時期もあるのですが、やはり文字数の関係でどうも説明不足になりやすいのですね。

しかしながら、最近では、秘訣や便利情報などが良く回ってきます、ですがそれが間違っていたり、前提条件が不明であったり、おそらく聞きかじっただけで、深くは知らないであろうものもよく見かけるようになってきました。

フォロワーさんは自分で選べるとはいえ、RTまでは完全に制御しきれませんし、そういったつぶやきを無意識に選別するコストが以前よりつらくなってきたのです。

そのことに全く知識がなければ、信じてしまうでしょうし、僕自身も間違ったことを伝えた事がないかというとそれも自信はないですし、時間とともに意見が変わったり、知識が増えて理解が変わったりすることだってあります。

短いつぶやきですと、その辺にどうしても対応できないのですね。

ここで書くことが全て真実かというと些か心許ないですが、後で恥ずかしくない程度には考えて書けるといいなと思っています。

ちなみにここのタイトルのナンバーは、ryojin.jpという名前でサイトを立ち上げてからの日記の通算です。以外と多いような少ないような。

もう消してしまいましたが、書いてたのを合わせるとどれくらいになるんだろうな。
とりあえずは、この数が1000回くらいになるまでは続けたいなと思っています。(毎日書いても3年弱かかる計算なのでいつになることやら…)

Hello world![No.253]

いやあ、長かった。

公演告知など載せていたメインのサイトを事故で飛ばしてしまい、復旧を試みるも、知識不足でにっちもさっちも行かなかった。

どうせなら、Blogを別に作って更新しやすくしよう、などと軽く思ったのがいけなかった。

1週間以上、ああでもないこうでもないとやってました。

ようやくこれで、安心してゆっくりと眠れます。

どうしてブログをわざわざ作ろうかと思ったのかはまた今度ゆっくりと。

このエントリのタイトルのHello World!はBlogを作った時に入っている最初の投稿なのだけど、なんだか爽やかな感じがして気に入ったのでそのまま使います。
Hello World、これから楽しみましょう。